読んだもの

ある一人の友人を想定読者に書いていくブログ∧独学ノート。

キーポイント 電磁気学(2023/10/27~)

非公開のNotionに写経している。数式の扱いがだんだん上達してきた。

 

しかし、単位取得に必要な授業に今から頭を突っ込めなくなってしまった。月曜の植物学の授業で頭を下げるか。

吉本隆明全集一巻をゆっくり読み進めている。いくつもの詩篇やら固有時との対話やら入っているので、こういうフォーマットでの記録はしないかもしれない。少しばかりネットに転がっている吉本隆明論を読んだが、詩の中身を理解しないとあまりよろしくないな。

文章を書けるようになるために文章を書いている。今昔長い本を書ける人は学生時代に論文(Paperの訳ではない)を多く書いているというイメージがある。副産物ラボ内外に批評系の友人がいるが、彼らも書いているから書けるようになったのだろう。しかし、何を書くかによって必要な訓練は異なってくるはずだ。おれは明確な目標こそ持っていないが、文理問わず論文を書くことは念頭にある。やはり論文を書くことで練習とすべきなのだろうか。論文を書くならばおれは何を書くのだろうか。書評や軽い批評から始めるのかもしれない。

パレスチナ侵攻については、10/30の渋谷駅前スタンディングデモに参加してみようと思う。

行った。無許可かつハロウィン弾圧に重なってグダグダになったが、留学生がどんなことを考えているのかを知れた。もっと英語を、そしてもっとオープンマインドにならないと。

おれにはパレスチナに対する負い目がある。ガイドの青年に、値切り交渉の際に勢い余って「うそつき」と言ってしまったこと。そのときの青年の顔が忘れられない。そこはヨルダン川西岸地区であり、ガザとはまた違った場所ではあるが、西側諸国の嘘やダブルスタンダードによって苦しんできたことに違いはない。報道を見るたびにそのことを思い出す。

最近電磁気学の勉強が止まってしまっている。単純に駒場での勉強の時間が取れていないことが原因だ。また、本を読めていないのは、電車内で読まなくなってしまったからだ。ツイッターをやめよう。

留年イヤーにやりたいことのリストを作ろうか。

パレスチナ侵攻関連:岡真理の講義とユヴァルノアハラリのインタビュー(2023/10/23-24)

どちらもYouTube。知らなければならないと思って岡真理を聴講し、そういえばと思ってユヴァルノアハラリのツイッターを開き、侵攻後のツイートからインタビューを観た。

岡真理のほうはアーカイブが公開されている。ハラリのほうはこちら。(英語)

www.youtube.com

岡真理はパレスチナの正当性を強調していた。エモーショナルにしてエモーティブ、国連演説みたいな3時間だった。黙祷から始まり、ユダヤ人の辿った歴史的経緯などを踏まえつつ、パレスチナの壁の内側で実際に起こっている人道に悖る行いと、それが無視されていることについて述べていった。パレスチナには国際法は適用されず、人体を激しく損壊する白リン弾などの非人道兵器が撃ち込まれ、病院や文化センターなども容赦なく爆撃される。そして国際社会はそれに対して見て見ぬふりをし続ける。

中核的なメッセージは、「問うべき命題は『ハマスは何者なのか』ではなく『イスラエルは何者なのか』である」だった。いかなる歴史的経緯があるにしても、よその土地に攻め込んで占領したのはイスラエルである。国際社会が成立していた近代後期に、許されない国際法違反から成り立ち、現在進行形で先住民を迫害しているにもかかわらず、なぜ国際社会で大手を振って歩けているのか。

そして、問題の根本的解決に必要なのは人道的支援ではなく政治的解決であるとした。人道への攻撃に対して見て見ぬふりをしながらイスラエルによって壊される建物を建てるマッチポンプではなく、攻撃をやめさせることが必要だとした。

そういえば、歴史の話をある程度していたが、歴史的な正当性の方向ど真ん中に話が進むことはなかった。たとえば、パレスチナ問題の根源であるイギリスについて触れていないし、第二次世界大戦以前の聖地近辺についてもあまり触れていない。

ハラリは終始イスラエル寄りだった。ユダヤ人というよりはイスラエル人だった、とでもいうべきか。岡真理と人質事件の事実認識に大きく差があるのが気になった。

イスラエルハマスを負かすだけでなくパレスチナ人にも人間らしく生きられる未来を用意せねばならないというメッセージを強調していた。

おれは2020年の2月下旬に、7日ほどイスラエルに滞在した。知り合いの伝手をたどってテルアビブに拠点を置きつつ、エルサレム、ハイファ、砂漠の街ミツペー・ラモーン、そしてヨルダン川西岸に残るパレスチナを訪れた。旅のことについてここでは語らないが、ロケット弾の落ちた場所の近くも一度通っているはずだし、ヨルダン川西岸に築かれた入植地や壁もこの目で見ている。対面で聞いてくれれば画像を見せながらいくつか印象深い場所を話せる。

岡真理の講義はイスラエル大使館前のデモで知り合った学生が企画したものだ。おれはデモの開催を知らず、行けなかった。自分が政治的行動をしていないことに恥ずかしさを覚える。

おれはテルアビブが守銭奴の都でないことを知っている。おれはベツレヘムが案外に旅行者を歓迎していることを知っている。

おれは誘惑の山の街、パレスチナ西岸地区のイェリコにはコカ・コーラの大きな看板があったのを見た。おれはバンクシーホテルの前、ベツレヘム分離壁に沿って2人のパレスチナ人青年がスケボーをしに行ったのを見た。

今何か判断して行動することに困難を感じる。だが、けじめはつけなければならないだろう。政治的な行動に参加したいと思う。

 

 

 

花粉症がつらすぎて書けない……。足が冷えて昼夜も逆転してしまった。今日は徹夜したうえで次の夜に寝ることにする。

何事かを継続するのは難しい。「継続する技術」というアプリを4年ほど前から断続的に使っているが、アプリが伴走してくれる30日間を待たずに立ち消えた習慣、30日の壁を越えたものの立ち消えた習慣の両方がある。

週末に1日2本のライブを行い、どちらも演奏が途中で崩壊してしまった。その日は短時間で目覚めてしまい寝不足だったのもあったが、おそらくメトロノームを利用した練習をほとんど行わなくなっていたからだ。だから今回は1日1回のメトロノーム起動を継続することにした。続けばいいな。

おれは幼い。父に言われたし、その前からずっと自分で思っていた。話も自分のことばかり言おうとするから面白くないし、世間の様々なものに対する基礎知識、そして人生経験が不足している。

とりあえずアルバイトでもしようと思う。いくつか候補になるお店や研究室に連絡を入れるかな。

『食魔 谷崎潤一郎』(2023/10/19)

谷崎潤一郎の異常なまでに強い食へのこだわりを、彼の書いた作品と人生から読み解いた新書。なんとなく手にとったが美味しく読めた。自分は全く谷崎潤一郎を読んだことがないが、短編くらい読んでも面白いかなという気になった。

もう返してしまったので、覚えている点からいくつか。

谷崎作品の悪女はものをよく食べる。『痴人の愛』のナオミだっけ?が特にそうで、主人がマゾヒスティックに貢いだ洋食をたらふく食べて発育し、西洋人めいた体型で公然と主人の家で愛人を囲う。望まれて生まれたサディスト。

谷崎は東京生まれ東京育ち。中学卒業前あたりで親が事業を失敗して、ごちそうを毎日食べる生活から粗食の生活になる。書生としてお屋敷で使用人同然の生活をすることになり、ごちそうを食べている主人への嫉妬から食い意地を張るようになった。また、中学あたりで中華料理屋のせがれと仲良くなり、弁当を交換して食べたりするようになる。

谷崎は戦中熱海に疎開する。太平洋戦争末期でも面白いほど美食をしていて、ビフテキとか毎週食べていたんじゃないか。東京に用があったときも、ホテルで洋食パーティーをしたりしていた。

こだわり抜いたものをガツガツ胃袋に放り込むのが谷崎の美食である。意外なことに、現在美食と聞いて思い浮かべるような、テーブルマナーに支配された行儀の良い食卓ではない。乱杭歯が茶碗に当たる音がうるさくて、会食していた華族に苦言を呈されるほどだったらしい。

谷崎の死因は高血圧によるものだが、それは偏食貪食が祟ったためであるのは言うまでもない。死ぬ前もビフテキ食べてたし。

著者は東大文で博士をとった方。振り袖がものすごく似合っていらっしゃる。

『トリコ』という漫画がある。少年ジャンプを一時期引っ張るほどの出力を備えたグルメバトル漫画の金字塔であり、登場人物は全員食欲を行動原理としている。吹っ切れていてとても良い。ゼブラが出てくる直前くらいまで読んだので、続きを読みたいところだ。

松笠揚げが食べたい。スーパーで丸のままの魚が安く売っているが、実家に出刃包丁がないのでさばけない。じいちゃんに相談しようか。